Photo Gallery

修飾
英語ができることが“特別”であった時代。
というか、英語以前に女性が教育を受けること自体が珍しかった時代。
主人公は非常に恵まれた教育環境を与えられたと思う。

全体としては、「時代に翻弄されながらも自立していく一人の女性の物語」という感じで、
伝記的要素が強かったが、
翻訳者の私としては、もう少し翻訳に踏み込んだ内容が欲しかった。
(「この○○という英語は、一般的には△△という意味であるが、~という状況に照らし合わせると□□という日本語が妥当であると思われる」みたいな翻訳論とか)

しかし、キーポイントとなるのは、
『赤毛のアン』の作者であるL・M・モンゴメリ氏は、主人公が教育を受けた教師達と同じカナダ出身であり、
主人公は実際にはカナダに行ったことはないのにもの関わらず
背景を十全に理解できた
ということである。
主人公自身がクリスチャンである点も大きい。

背景を知らないと、どうしても単語をそのまま置き換えるだけになってしまうのだが、
背景を知っていると「書き手がなぜこの単語を選んだのか」(=どのような『意図』があるのか)がわかり、
表面的な単語に振り回されることなくその奥にある『意図』を訳すため、簡潔かつ明瞭な表現ができる。


ちょっと時間が空いたので、筆者は只今基礎医学の勉強中。

今まで全っく興味がなかった分野でも、
翻訳という作業を通すとイキナリ興味津々になる筆者。

ちょうど、好きな人の周りにいる人まで良く見える感じである。

翻訳とは、理想を言うなら、書き手(医療分野なら医師や薬剤師等)と同じレベルがベストであるが、
実際には不可能である。
しかし、少なくともその方達の言葉を「理解」できなければ、翻訳者という職業は勤まらないのである。
そして、その言葉を理解するには、ベースが必要であると痛感する今日この頃。

翻訳内容の難易度が高い場合は、入門レベルの知識では不十分である場合もあるが、
少なくとも入門レベルの知識があれば、
『これは○○の分野だから、△△をより詳しく調べるために□□の資料を当たってみると答えが見つかりそう』
という検討がつくようになる。
しかし、全く知識がないと何をどこで調べれば良いのかさえわからないのである。


今回のテーマは、
『エージェントに選ばれる翻訳者・通訳者になりたい』。

これ、切実(泣)

予想に反して、
ごく当たり前なこと(納期・指示を守る、レスポンスが早い、コミュニケーションが取りやすいなど)しか書いていなかった。。(それすらできない翻訳者が多いってことだけどw)
ちょっと期待外れだったが、
ある翻訳者さんへのインタビューで、「営業したことない」って書いてあり、

営業したことない翻訳者は、ガチ(実力者)。

ていうか、
そういう人のインタビューだけじゃなくて、
実際の訳文掲載してくれるとありがたいのですが。

そうするとトップレベルの実力と今の自分の実力の差の把握、
そしてその差を埋める具体的戦略が立てられる
んだが。

あと、JTF常任理事・井口氏による個人翻訳者の実態調査については、非常に参考になりました。
母集団数が約500名という数字での調査であり、統計的に信頼性が高い。(他の調査だと母集団数10名みたいなのもあるので)
井口先生、ありがとうございます!

翻訳会社を通してのみ仕事を受注している翻訳者の割合が50%超。
まだまだ直取引は「一般的」でないようだ。

翻訳者はおとなしくてコミュ力があまりない人が多い(=自分からガツガツ仕事取りに行くタイプが少ない)ことも一因だと思うし、
そもそも「“個人事業主”とは取引できません」という法人も多いからだろうと思う。

筆者的には、この翻訳業界の現状を打破すべく、
これからガンガン直取引を推していこうと思ってるので、
ソースクライアントの皆様、どうぞよろしくお願いします。

WHAT'S NEW?