NLP2022が終わった。
来年は沖縄開催らしい。
仕事も一段落したし、
今『THIS IS MARKETING ディスイズマーケティング 市場を動かす』を読んでいる。
日本語の副題「市場を動かす」が適切かどうかは、
(まだ読んでいる途中なので)わからないけれど……
市場を「把握する」でも市場に「適応する」でもなく、
市場を「動かす」というのが、
今の自分にヒットした。
今AAMTのMT利用ガイドラインの草稿も執筆しているので、
これからは市場を「自分で動かす」ことにフォーカスすべきかもしれない。
機械翻訳の市場を「動かす」とはーー
AAMT 2021, Onlineの自身の発表でも述べたが、
人間翻訳 vs 機械翻訳のマスの取り合いではなく、
マス数自体を増やし、顧客を新たな市場に誘導すること。
以下、『THIS IS MARKETING ディスイズマーケティング 市場を動かす』より、引用。
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マーケターはシンボルを使って信用や熱狂を獲得したり、その真逆にいる人たちをうまく動かすシンボルを見つけたりできる。社会を変えるには、変えようとしている社会の実態をよく理解しなければならない。
(中略)自分のストーリーやシンボルに対して、「これは誰のためか?」「これはなんのためか?」と問いかけ、意識してつくる必要があるのだ。
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先のNLP2022で、とりあえず私からは、
AAMTのMT利用ガイドラインを共通の基準としたら?という提案をした。
その意味するところは、
産業翻訳業界側は、MT利用ガイドラインをポストエディットの「スタイルガイド」として指定して翻訳者に守らせる、
MT研究者側は、同ガイドラインの定義を「ゴール」地点として、それに合わせてMTを改良する。
そうすれば、MT利用ガイドラインはデファクトスタンダードとなるのではないだろうか?
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MT利用ガイドラインを啓蒙するには、
どういうシンボルが考えられるだろう?
何か力強いシンボルが必要だ。
マス数自体が増え、
顧客が自ら進んで新たな市場に行くようなシンボルが。
明日からNLP2022が開催されます。
エッジ・トランスレーションはシルバースポンサーとして参加します。
現時点での参加予定は以下です。
(※仕事との兼ね合い、および重複するセッションがあるため、できれば出るくらいの感じです)
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3月14日(月) 13:00-14:45
T2:チュートリアル2:ゼロから始める転移学習
3月15日(火) 13:20-19:00
G2~4:テーマセッション2:文章の評価と品質推定(1)~(3)
【総合討論】
★(重複)3月15日(火) 13:20-15:00:
C2-1 遠距離教師データの特徴表現を活用した薬物タンパク質間関係抽出
C2-2 薬学知識グラフ上のヘテロな情報を利用した文献からの薬物相互作用抽出
★(重複)3月15日(火) 17:20-19:00:C4-5 Improving Medical Relation Extraction with Distantly Supervised Pre-training
3月16日(水) 9:00-10:20
PH1-1 医療用語の is-a オントロジー構築の FCA を使った効率化
PT2-12 英日機械翻訳における既存の評価指標の線形結合による性能評価
ランチ:NLP女子会
3月16日(水) 13:20-17:00
C5~6:機械翻訳(1)~(2)
3月16日(水) 17:20-18:20
自然言語処理研究が乳幼児の言語発達研究から学べることは何か
3月16日(水) 19:00-21:00
【オンライン懇親会】
3月17日(木) 9:00-10:20
PT3-9 Transformerによる含意生成とその評価
PT3-12 機械翻訳における単語埋め込み共有時の問題の言語埋め込み導入による緩和
3月17日(木) 10:40-12:00:
PT4-11 JParaCrawl v3.0: 大規模日英対訳コーパス
PT4-12 双方向翻訳モデルと反復的逆翻訳を用いた低資源言語に対するニューラル機械翻訳の性能向上
PH4-12 曖昧性を含む翻訳に着目したマルチモーダル機械翻訳データセットの構築方法の検討
3月17日(木) 13:20-14:40
F7:テーマセッション3:言語処理テクノロジーと翻訳:翻訳の要請から技術へ,技術から翻訳応用へ
【総合討論】
3月17日(木) 15:00-16:20:
F8-1 疑似問題による常識推論能力の改善と関連タスクへの効果
F8-2 医学生物学論文解析のための談話依存構造ツリーバンクの構築
3月17日(木) 16:40-18:10
招待論文:
テキストベクトルの重みづけを用いたタスクに対する単語分割の最適化
訓練事例の影響の軽量な推定
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特に15日と17日の【総合討論】、および16日【オンライン懇親会】については、
極力出る予定です。
参加される皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

ロシアのウクライナ侵略について、ニュースで連日報道されていますが、
それに対して悲しく思うと同時に、無力感も感じています。
戦争をやめさせるために自分が行動したり、決定したりすることができないからです。
(自分では軍事専門家でもなく、日本国首相でもないからです。)
その代わり、自分にできることとして、非常に微力ながら以下を行いました:
・ウクライナの人道支援に使われる寄付をした(少額ですが)
・今後ロシア企業とは取引しないと決定した
上記を行うことで戦争が終わるわけではありませんが、
グダグダ言うだけで何もしないよりはマシかな、と思っています。
持論ですが、幸せとは、
自分にコントロールできることを増やすことで実現できるのではないか、と思っています。
例えば、機械翻訳に関しては、
自分には機械翻訳の進歩を止めることはできないけれども、
機械翻訳研究者側と随時ディスカッションを行ったり、MT利用ガイドラインの委員となったりして、
自分にできることをしています。