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前記事の質問に関連して、
じゃあ翻訳者がこれから前向きに仕事をしていくには、具体的にどうすればいいのか?
について考えてみました:

① ポストエディットを受け入れる
② トップ1%の翻訳品質を出し、従来の人間翻訳の仕事をキープする
③ 人間翻訳を評価してくれるお客様を自分で捕まえる
④ 自分が訳したデータを入れて機械翻訳を作り、既存の機械翻訳に対抗 ← New!


④はハードルが高いように思えますが、
イチから作るのではなく、既存の機械翻訳のアダプテーションであれば、
最近は技術が成熟してきて、以前では考えられない程安く、必要な対訳データの件数も少なくなってきているため、
ちょっと儲かっている翻訳者であれば、個人であっても不可能な方法ではないと思います。

そうすると、今度はアダプテーションモデル同士の戦いになりますね(機械翻訳戦国時代!?)。

一通り熾烈な争いが行われ、
最後まで立っていたヤツが市場でdominantとなるでしょう。
(「どの機械翻訳が一番良いか」は、プロバイダー側ではなく、ユーザー側が決めることなので)

マシュマロ(Twitter上で匿名で質問できるサービス)でおもしろい質問がありましたので、
回答をこちらにもまとめときます。
(すでにTwitter上で回答済み)
マシュマロ質問①

特に明るい発信をしてる人がほかの業界に比べ少ない暗い業界だと思いました。(いきなり失礼なことを申し上げすいません。)の部分がですね。

自分としてはそんな人ばかりじゃないと思いますが、
少なくとも質問者の方からはそのように見えたということでしょう。

まぁ、私に質問してきたということは、
ちょっとは建設的な意見を求めてると思ったので、
なるべく前向きな回答をしてあげたいと思い、
以下のように回答しました。

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以前、知恵袋にした回答と同じですが、
機械翻訳はパターン認識で機械的に処理できる分野では強いと思います。

しかし、文化的差異(例えば日本では鼻が「高い」と言いますが、英語では鼻は「長い(long)」と言います)によって直訳がうまくいかない部分は、人間翻訳者が残る余地があると思います。

また、訴求など、コピーライティングの要素が入るものはまだまだ人間の領域です。

機械翻訳が今どのレベルか、常に最新状況をチェックしましょう。違うアプローチとして、機械翻訳の使い方については、今AAMTという機械翻訳の学会で協議を進めています。
機械翻訳を最大限使いこなしてもなお修正が必要な部分が、これから人間翻訳者の役割となるでしょう。

あなたのご友人が、上記の回答を見せてもなお翻訳をやりたいというのなら、やればいいと思うし、やりながらこれからの人間翻訳の役割を前向きに探していけばいいです。

ただ、「やっぱやめとこうかな……」と思うなら、やめておいた方がよいです。
これから状況はどんどん厳しくなると思うし、既存の翻訳者すら上位の何割かしか残らないと思いますので。
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特にやりながらこれからの人間翻訳の役割を前向きに探していけばいいです。の部分は、
既存の翻訳者の人達にも言いたいです。

というか、言いながら自分自身にも言い聞かせているフシがあります。
私自身も決して安全地帯にいるわけではないので。

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