7/10はJTF関西セミナーに行ってきました。
その前に、まだ7/7の千里ライフサイエンスセミナーの感想を書いていないので、先にそっち書くね。

ノンコーディングRNAの応用例として、
・アンチセンスRNA
・アプタマー技術
・CRISPR-Cas9ゲノム編集
・IncRNAの発現の組織特異性を活かしたマーカー診断
などがあるそうです。
ただし、ノンコーディングRNAは二次構造の機能が不明であり、
それがネックになっているそうです。
(※これは「おわりに」で話された内容)
下記にまとめときます。
やたら短いやつや要旨をまとめただけのやつ(=自分ではわからなかったやつw)もありますけど、許してね☆
(間違いや著作権侵害等の問題がございましたらお知らせください)
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【①piRNAはトランスポゾンの侵略から生殖ゲノムをどのように守るのか】 by 塩見 美喜子氏(東京大学大学院理学系研究科 教授)
唯一の女性発表者。
RNAには全身性のものと、生殖特異的なものがある。RNAサイレンシングは、小分子RNAによって引き起こされる遺伝子発現制御である。RNA干渉(RNAi)は、ヒト疾患治療への応用が期待されている。
トランスポゾン(転移性DNA因子)は自由に動き、Piwiタンパク質(Argonauteファミリーメンバーに属する)がこれを抑える。Piwiタンパク質を特異的に検出する抗Piwiモノクロナール抗体は、rasiRNAに好んで結合する。また、PiwiのみならずAubやAGO3もpiRNA(piwi-interacting RNA)に結合する。
【②網羅的エピゲノム情報に基づいたPRC2結合型ノンコーディングRNAの機能解析】 by 金子 修三氏(国立がん研究センター研究所 ユニット長)
ご本人曰く「若手」(研究者って何才まで「若手」なの?)で、「マニアックな内容」だそうです。
よくわかりませんでしたが、iPS細胞研究所から8種類のiPS細胞を提供してもらい、
そのうち5種類にはMeg3が発現しましたが、残りの3種類には発現しなかったそうです。
Precision Medicineによって、個々の患者さんに最適な治療を行うことを説かれていました。
余談ですが、ヒストン修飾には機械学習を利用しているみたいですね。
医療の分野はますます細分化・高度化されていますが、
iPS細胞を提供してもらったり、機械学習を利用したり、
研究の発展には横の連携(それぞれの分野のエキスパートが協力し合う)が重要みたいですね。
【③CRISPR-Cas9の結晶構造と機能改変】 by 西増 弘志氏(東京大学大学院理学系研究科 助教)
原核生物のもつCRISPR-Cas(clustered regularly interspaced short palindromic repeat CRISPR-associated)獲得免疫機構はウイルスなどの外来核酸からの防御を担う。Cas9タンパク質はcrRNA、TracrRNAと結合する。
【④RNA修飾によるエピトランスクリプトーム制御と疾患】 by 鈴木 勉氏(東京大学大学院工学系研究科 教授)
RNAは転写後に様々な修飾を受けることが知られている。実際、これまでに130種類を超えるRNA修飾が、様々な生物種から見つかっている。RNAが機能する上でこれらの修飾は見過ごすことのできない重要な質的情報である。RNA修飾の担う役割としては、細胞内局在の決定、立体構造の安定化、RNA結合タンパク質との相互作用、遺伝情報の修飾と解読などが知られているが、その機能と生合成過程には未解明な部分が多く残されている。同氏らは、様々な生物種から、微量なRNAを単離精製し、質量分析法(RNA-MS)を駆使することで、新しいRNA修飾を探索している。
【⑤RNAアプタマーが明らかにするAchondroplasia(軟骨無形成症)の薬理と治療】 by 中村 義一氏(株式会社リボミック 代表取締役社長・東京大学名誉教授)
FGF2は組織のリモデリングや再生に不可欠な「善玉」としての役割が明らかにされてきたが、同氏らは、FGF2が骨疾患においては「悪玉」として働くことを明らかにした。
RBM-007はFGF2に対する特異的かつ強い阻害作用を持つRNAアプタマー(RBM-007)で、それを投与することにより軟骨の成長板の減衰が完全に阻止され、正常に回復した。また、マウスの骨伸長も5割改善された。
他にも、目の病気(病名は忘れました)でFGF2をブロックすることで血管新生を抑制し、 目の内側に瘢痕(かさぶた)ができるのを防ぐことで、注射が3ヶ月に1回で済むようになるということです。
ただし、試験によっては、1600人中10%にアナフィラキシーが出たり、薬剤の併用で効果が出なかったりする問題点もあり、同氏はあらかじめPEGに対する抗体を調べることが必要かも、とおっしゃっていました。
同氏らは、来年臨床試験を開始する準備を進めている。
【⑥長鎖ノンコーディングRNAにできること~マウスからのメッセージ】 by 中川 真一氏(北海道大学大学院薬学研究院 教授)
長鎖ノンコーディングRNA(IncRNA)は、タンパク質同士を繋げるチェーンみたいな役割をするそうです。
Neat1のKOマウスは、約半数のメス個体が不妊となる(黄体形成不全を示し、血中プロゲステロン濃度が低下することが原因)が、パラスペックを移すと妊娠できるようになるそうです。
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その前に、まだ7/7の千里ライフサイエンスセミナーの感想を書いていないので、先にそっち書くね。

ノンコーディングRNAの応用例として、
・アンチセンスRNA
・アプタマー技術
・CRISPR-Cas9ゲノム編集
・IncRNAの発現の組織特異性を活かしたマーカー診断
などがあるそうです。
ただし、ノンコーディングRNAは二次構造の機能が不明であり、
それがネックになっているそうです。
(※これは「おわりに」で話された内容)
下記にまとめときます。
やたら短いやつや要旨をまとめただけのやつ(=自分ではわからなかったやつw)もありますけど、許してね☆
(間違いや著作権侵害等の問題がございましたらお知らせください)
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【①piRNAはトランスポゾンの侵略から生殖ゲノムをどのように守るのか】 by 塩見 美喜子氏(東京大学大学院理学系研究科 教授)
唯一の女性発表者。
RNAには全身性のものと、生殖特異的なものがある。RNAサイレンシングは、小分子RNAによって引き起こされる遺伝子発現制御である。RNA干渉(RNAi)は、ヒト疾患治療への応用が期待されている。
トランスポゾン(転移性DNA因子)は自由に動き、Piwiタンパク質(Argonauteファミリーメンバーに属する)がこれを抑える。Piwiタンパク質を特異的に検出する抗Piwiモノクロナール抗体は、rasiRNAに好んで結合する。また、PiwiのみならずAubやAGO3もpiRNA(piwi-interacting RNA)に結合する。
【②網羅的エピゲノム情報に基づいたPRC2結合型ノンコーディングRNAの機能解析】 by 金子 修三氏(国立がん研究センター研究所 ユニット長)
ご本人曰く「若手」(研究者って何才まで「若手」なの?)で、「マニアックな内容」だそうです。
よくわかりませんでしたが、iPS細胞研究所から8種類のiPS細胞を提供してもらい、
そのうち5種類にはMeg3が発現しましたが、残りの3種類には発現しなかったそうです。
Precision Medicineによって、個々の患者さんに最適な治療を行うことを説かれていました。
余談ですが、ヒストン修飾には機械学習を利用しているみたいですね。
医療の分野はますます細分化・高度化されていますが、
iPS細胞を提供してもらったり、機械学習を利用したり、
研究の発展には横の連携(それぞれの分野のエキスパートが協力し合う)が重要みたいですね。
【③CRISPR-Cas9の結晶構造と機能改変】 by 西増 弘志氏(東京大学大学院理学系研究科 助教)
原核生物のもつCRISPR-Cas(clustered regularly interspaced short palindromic repeat CRISPR-associated)獲得免疫機構はウイルスなどの外来核酸からの防御を担う。Cas9タンパク質はcrRNA、TracrRNAと結合する。
【④RNA修飾によるエピトランスクリプトーム制御と疾患】 by 鈴木 勉氏(東京大学大学院工学系研究科 教授)
RNAは転写後に様々な修飾を受けることが知られている。実際、これまでに130種類を超えるRNA修飾が、様々な生物種から見つかっている。RNAが機能する上でこれらの修飾は見過ごすことのできない重要な質的情報である。RNA修飾の担う役割としては、細胞内局在の決定、立体構造の安定化、RNA結合タンパク質との相互作用、遺伝情報の修飾と解読などが知られているが、その機能と生合成過程には未解明な部分が多く残されている。同氏らは、様々な生物種から、微量なRNAを単離精製し、質量分析法(RNA-MS)を駆使することで、新しいRNA修飾を探索している。
【⑤RNAアプタマーが明らかにするAchondroplasia(軟骨無形成症)の薬理と治療】 by 中村 義一氏(株式会社リボミック 代表取締役社長・東京大学名誉教授)
FGF2は組織のリモデリングや再生に不可欠な「善玉」としての役割が明らかにされてきたが、同氏らは、FGF2が骨疾患においては「悪玉」として働くことを明らかにした。
RBM-007はFGF2に対する特異的かつ強い阻害作用を持つRNAアプタマー(RBM-007)で、それを投与することにより軟骨の成長板の減衰が完全に阻止され、正常に回復した。また、マウスの骨伸長も5割改善された。
他にも、目の病気(病名は忘れました)でFGF2をブロックすることで血管新生を抑制し、 目の内側に瘢痕(かさぶた)ができるのを防ぐことで、注射が3ヶ月に1回で済むようになるということです。
ただし、試験によっては、1600人中10%にアナフィラキシーが出たり、薬剤の併用で効果が出なかったりする問題点もあり、同氏はあらかじめPEGに対する抗体を調べることが必要かも、とおっしゃっていました。
同氏らは、来年臨床試験を開始する準備を進めている。
【⑥長鎖ノンコーディングRNAにできること~マウスからのメッセージ】 by 中川 真一氏(北海道大学大学院薬学研究院 教授)
長鎖ノンコーディングRNA(IncRNA)は、タンパク質同士を繋げるチェーンみたいな役割をするそうです。
Neat1のKOマウスは、約半数のメス個体が不妊となる(黄体形成不全を示し、血中プロゲステロン濃度が低下することが原因)が、パラスペックを移すと妊娠できるようになるそうです。
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