昨日は京都国際会館まで、薬事規制当局サミットシンポジウムに参加してきました。
知り合いが多過ぎてワロタw(気付いただけでも10人いました)
会場は約1600名(ほぼ満席!)。
スーツ男性多し(7割位)。多分、製薬会社の人が大半だと思う(薬事規制でモロに影響受ける人達だから)。
スピーカーは半分位外国人だったので、各席に同通のレシーバーが置いてありました(私は使わなかったけど)。
なんだか国際会議のような雰囲気(オーディエンスはほとんど日本人だけどね)。
<午前>
エラい人達による開会の挨拶。
●EMA●
医療業界は「サービスプロバイダー」として、specializedなスタッフが必要。新しいplayers(関係者)との連携が大事。regulatorsは、科学とヘルスケアシステムをつなぐ者である。科学技術のトレンドと、レギュラトリーサイエンスのツールのギャップについて。今後は疾患モデリングと、biomarker-driven personalized medicinesに重点を置くそうです。
●山中先生●
京都東山ロータリークラブ特別記念講演会や上廣倫理財団シンポジウムで聞いた部分も多かったので、その部分は割愛しますが(ただし、説明の仕方はオーディエンス層に合わせて若干難易度高めでした)、新たに次の情報を得ました:
Donor Recruitment:国際協力の必要性。アジアではレアなHLA型(その型の人の多さが500位とか1000位とか。日赤の力を借りたとしても中々見つからない)が、欧米ではメジャー(1~3位)だったりするため。
規制の壁:規制によって、日本で作ったiPS細胞が使えなかったりする(例:米国では、iPS細胞の作成に米国内で承認されている試薬を使用する必要があるなど)。科学的な問題というよりは規制的な問題。
特許の問題:CiRAとしては適正価格でライセンス供与する。
●FDA(ビデオレター)●
今後はモデルベースの医薬品開発、難病においてより良い治療を評価する、製品よりも治療領域に注目することを述べられていました。
●JPMA●
患者中心の医薬品開発。日本は新薬のオリジネーターとして、米国に次ぐ第2位(2015)。「先駆け審査指定制度」について。無作為、二重盲検、プラセボ対照試験が全試験にとって良いわけではない。MHLW/PMDAとJPMA間で対話を行っている。
●JEMDA●
医療におけるAIの活用について述べられていました(画像診断支援、ゲノム医学、医薬品開発、介護、手術支援など)。それにはセキュリティの問題も付いて回るようです。
----------------------------------------------
昼食はランチ会場でお弁当。

いいお天気~。散歩してる人もいました。


----------------------------------------------
<午後>
●PMDA●
PMDAによるサミットの結果概要の発表。
①イノベーション(再生医療製品についてのregulatory convergence、リアルワールド・データ)
②国際協力
③SummitとICMRAの統合
そのために、
・リアルワールド・データからリアルワールド・エビデンスへ。
・One Healthアプローチ:規制当局の役割とWHOの役割。
・2国間会議(対9ヶ国):agreementsを締結した国もあり、各国との協力進む。
●ICMRA①(by MHRA)●
・産業のグローバル化、複雑なサプライチェーン
・公衆衛生の脅威の増加
によって、共通の課題へ取り組むことが必要。
そのための戦略的優先事項は、
・危機管理
・ファーマコヴィジランス
・サプライチェーンのintegrity
・イノベーション
である。
●ICMRA②(by EMA)●
interoperativityのためには、追跡システムの連携が必要。spurious and falsified products(偽造製品)へ対抗することが問題となっている。interoperativityには実施コストや法的問題があるが、ICMRAによる推奨によれば、国際的な製品のidentifier、また詳細ガイダンスによって共通の技術機能が必要である。
●ICMRA③(by TGA)●
John Skerritt氏の代理でLarry Kelly氏が登壇。
ファーマコヴィジランスについて。
ビッグデータ:各組織がバラバラの戦略をとっているとのこと。
有害事象の報告:増加しており、suspected AD(アルツハイマー病の疑い)の報告が世界的に問題となっている。
ワクチン:サーベイランス情報を積極的 or 受動的に収集している国を調査している。
●ICMRA④(by ANVISA)●
ICMRA危機管理プロジェクトは、ブラジル主導で行っているとのこと。
危機管理における各規制当局のメカニズムにはギャップがあるため、
世界的な公衆衛生の危機に対するフレームワークが必要である。
公衆衛生の緊急事態に対するリーダーはWHOであるが、ICMRAはWHOと各規制当局の調整役として位置付けられるとのこと。
●WHO●
EMP(Essential medicines and health products部門)の役割は、ファーシリテーターとガーディアンの2つ。ガーディアンの問題として、AMR(薬剤耐性)、緊急事態への備え、不足、substandard and falsified products(規格外製品・偽造製品)がある。公衆衛生を保護するには、政治的政策および運営的政策の両方が必要である。
●PMDA●
Summit・ICMRA設立の経緯。
☆12回サミット結果☆
・再生医療製品について
・リアルワールド・データについて:ビックデータの使い方について合意。
☆今後の取り組み☆
・患者のアクセス
・承認スピードと価格
・世界的な高齢化社会にむけて
・費用の透明性・予見性
・規制に関する国際協力
結論として、各国規制当局のトップ同士で話し合い、お互い協力しましょうという話でした。
----------------------------------------------
シンポジウム後は京都駅まで移動し、お食事会。



がんばった後の一杯はうまいな~♪
☆単語メモ☆
regenerative medicine products:再生医療製品
in silico:計算上の
ever-improving:日進月歩の
back-to-back:連続した
result-oriented:結果重視の
AMR(Antimicrobial Resistance):薬剤耐性
substandard and falsified products:規格外製品・偽造製品
horizon scanning:ホライズン・スキャニング
知り合いが多過ぎてワロタw(気付いただけでも10人いました)
会場は約1600名(ほぼ満席!)。
スーツ男性多し(7割位)。多分、製薬会社の人が大半だと思う(薬事規制でモロに影響受ける人達だから)。
スピーカーは半分位外国人だったので、各席に同通のレシーバーが置いてありました(私は使わなかったけど)。
なんだか国際会議のような雰囲気(オーディエンスはほとんど日本人だけどね)。
<午前>
エラい人達による開会の挨拶。
●EMA●
医療業界は「サービスプロバイダー」として、specializedなスタッフが必要。新しいplayers(関係者)との連携が大事。regulatorsは、科学とヘルスケアシステムをつなぐ者である。科学技術のトレンドと、レギュラトリーサイエンスのツールのギャップについて。今後は疾患モデリングと、biomarker-driven personalized medicinesに重点を置くそうです。
●山中先生●
京都東山ロータリークラブ特別記念講演会や上廣倫理財団シンポジウムで聞いた部分も多かったので、その部分は割愛しますが(ただし、説明の仕方はオーディエンス層に合わせて若干難易度高めでした)、新たに次の情報を得ました:
Donor Recruitment:国際協力の必要性。アジアではレアなHLA型(その型の人の多さが500位とか1000位とか。日赤の力を借りたとしても中々見つからない)が、欧米ではメジャー(1~3位)だったりするため。
規制の壁:規制によって、日本で作ったiPS細胞が使えなかったりする(例:米国では、iPS細胞の作成に米国内で承認されている試薬を使用する必要があるなど)。科学的な問題というよりは規制的な問題。
特許の問題:CiRAとしては適正価格でライセンス供与する。
●FDA(ビデオレター)●
今後はモデルベースの医薬品開発、難病においてより良い治療を評価する、製品よりも治療領域に注目することを述べられていました。
●JPMA●
患者中心の医薬品開発。日本は新薬のオリジネーターとして、米国に次ぐ第2位(2015)。「先駆け審査指定制度」について。無作為、二重盲検、プラセボ対照試験が全試験にとって良いわけではない。MHLW/PMDAとJPMA間で対話を行っている。
●JEMDA●
医療におけるAIの活用について述べられていました(画像診断支援、ゲノム医学、医薬品開発、介護、手術支援など)。それにはセキュリティの問題も付いて回るようです。
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昼食はランチ会場でお弁当。

いいお天気~。散歩してる人もいました。


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<午後>
●PMDA●
PMDAによるサミットの結果概要の発表。
①イノベーション(再生医療製品についてのregulatory convergence、リアルワールド・データ)
②国際協力
③SummitとICMRAの統合
そのために、
・リアルワールド・データからリアルワールド・エビデンスへ。
・One Healthアプローチ:規制当局の役割とWHOの役割。
・2国間会議(対9ヶ国):agreementsを締結した国もあり、各国との協力進む。
●ICMRA①(by MHRA)●
・産業のグローバル化、複雑なサプライチェーン
・公衆衛生の脅威の増加
によって、共通の課題へ取り組むことが必要。
そのための戦略的優先事項は、
・危機管理
・ファーマコヴィジランス
・サプライチェーンのintegrity
・イノベーション
である。
●ICMRA②(by EMA)●
interoperativityのためには、追跡システムの連携が必要。spurious and falsified products(偽造製品)へ対抗することが問題となっている。interoperativityには実施コストや法的問題があるが、ICMRAによる推奨によれば、国際的な製品のidentifier、また詳細ガイダンスによって共通の技術機能が必要である。
●ICMRA③(by TGA)●
John Skerritt氏の代理でLarry Kelly氏が登壇。
ファーマコヴィジランスについて。
ビッグデータ:各組織がバラバラの戦略をとっているとのこと。
有害事象の報告:増加しており、suspected AD(アルツハイマー病の疑い)の報告が世界的に問題となっている。
ワクチン:サーベイランス情報を積極的 or 受動的に収集している国を調査している。
●ICMRA④(by ANVISA)●
ICMRA危機管理プロジェクトは、ブラジル主導で行っているとのこと。
危機管理における各規制当局のメカニズムにはギャップがあるため、
世界的な公衆衛生の危機に対するフレームワークが必要である。
公衆衛生の緊急事態に対するリーダーはWHOであるが、ICMRAはWHOと各規制当局の調整役として位置付けられるとのこと。
●WHO●
EMP(Essential medicines and health products部門)の役割は、ファーシリテーターとガーディアンの2つ。ガーディアンの問題として、AMR(薬剤耐性)、緊急事態への備え、不足、substandard and falsified products(規格外製品・偽造製品)がある。公衆衛生を保護するには、政治的政策および運営的政策の両方が必要である。
●PMDA●
Summit・ICMRA設立の経緯。
☆12回サミット結果☆
・再生医療製品について
・リアルワールド・データについて:ビックデータの使い方について合意。
☆今後の取り組み☆
・患者のアクセス
・承認スピードと価格
・世界的な高齢化社会にむけて
・費用の透明性・予見性
・規制に関する国際協力
結論として、各国規制当局のトップ同士で話し合い、お互い協力しましょうという話でした。
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シンポジウム後は京都駅まで移動し、お食事会。



がんばった後の一杯はうまいな~♪
☆単語メモ☆
regenerative medicine products:再生医療製品
in silico:計算上の
ever-improving:日進月歩の
back-to-back:連続した
result-oriented:結果重視の
AMR(Antimicrobial Resistance):薬剤耐性
substandard and falsified products:規格外製品・偽造製品
horizon scanning:ホライズン・スキャニング
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