
他の方のブログで「翻訳者を「続ける」技術とは」という記事を拝読したので、
一応今年でメディカル翻訳者歴10年目の私から、
私見を述べさせていただきたいと思う。
(ちなみにこのブログは、メディカル翻訳を開始した際に開設したので、
このブログ歴10年目ということになる。長い!)
翻訳者は「なる」より「続ける」方が難しい説がある。
極端な話、問題となった詐欺翻訳講座みたいに、CV詐称やトライアル共有して翻訳会社に登録すれば、
最初の案件はgetできるかもしれない。
でもそれで「10年」翻訳者続けられるか?っていう話。
ここ10年、メディカル翻訳者界隈?を見ていて思うのだが(といっても、ネットで見たり、リアル・オンラインのイベントで私が見聞きした程度。全体の数字や状況を正確に把握しているわけではない)、
メディカル翻訳者になりたい人は多く、最近はコロナのせいかさらに希望者は増えている(翻訳学校のメディカル翻訳コースがすぐ満員になることからも、それは伺い知れる)。
しかし、途中でやめる人も非常に多いので、
「メディカル翻訳者志望です!」って聞いても、
正直最近はもはや「ハイハイ。まぁ、がんばってね」程度にしか思わなくなってきた。
メディカル翻訳者に「なる」には?という問いには、
「メディカル翻訳・通訳 完全ガイドブック」を見た方が早いと思うので、あえてここでは触れないが、
私が思うメディカル翻訳者(というより、メディカルに限らず翻訳者)を「続ける」コツは:
① 収入の2割を目安として投資に回す
② 単価がギリギリだと仕事がない時のバッファがないので、単価を高めに設定する(というか、単価が低すぎると生活費が稼げないので、そもそも翻訳者を続けられない)
③ ヒマな時間は、
● 新規開拓(トライアルや営業)
● セミナー・勉強(既存の翻訳分野のブラッシュアップ、翻訳分野を広げる、CATツールの習得)
● イベントでネットワーキング
④ 目標となる翻訳者を設定し、常にそこに向かって努力し、時々フィードバックをもらって目標からズレていないかを確認する
⑤ 需要がある翻訳者ってどういうものか?を常に観察する
特に⑤。
あなたが仕事がない時でも、仕事がある翻訳者はいます。
全員に仕事がないわけではありません。
あなたに仕事が来なくて、他の翻訳者に仕事が行くのはなぜでしょうか?
これを常に念頭に置いて、自分の状況だけでなくマーケットの需要供給を見てみてください。
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